特許の怖さを知った瞬間(3)

どうしても避けられない2件の特許について、特許交渉などを進めたものの、結果としてはうまくいきませんでした。

インクジェットヘッドの方式によらず、メディアの上にインクを落とした後の構成に関する特許です。

私たちは新規参入側であり、戦う武器がありませんでした。私たちの強みであったインクジェットヘッドの特許は、方式の違いによって、彼らにとっては大きな脅威にはなりませんでした。

そのため、クロスライセンスも結べない状況でした。

ゼロから開発を行い、技術的には壁を越えた――。
しかし、その先には「他社特許」という大きな壁が立ちはだかっていました。

結果として、私たちは事業化を諦めざるを得ませんでした。

技術的には、ようやく戦えるところまで来たと思っていました。
しかし、最後に立ちはだかったのは技術ではなく、特許でした。

特許が事業の趨勢を左右することを、本当に実感した瞬間でした。

この経験を通じて、特許を作成するときは、単に技術を書くのではなく、「技術思想」を書くこと。
そして、自分たちが取り組んでいる技術そのものだけではなく、それが使われるシーンまで想定して特許を書くことの重要性を学びました。


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