技術戦略担当者として3年が経ち、ようやく仕事にも慣れ、ある程度こなせるようになってきた頃、私は再び開発部門へ戻ることになりました。
ただ、今回はこれまでとは状況が違っていました。
開発部門へ戻るとはいえ、私に与えられたミッションは、既存テーマの開発を加速させることではありません。
新規事業に向けた、新たな開発テーマを立ち上げることでした。
当時、会社の業績は好調でした。
しかし一方で、特定事業への依存度を下げる必要性が強く意識されており、新たな視点からの事業が求められていました。
私は、コンサル会社にも相談しながら、
- 自社の保有技術を活用できること
- 新たな技術開発によって差別化できること
- 市場規模が大きいこと
――こうした条件をもとに、新規事業候補を絞り込んでいきました。
今振り返ると、もしかすると、ここが最初の失敗だったのかもしれません。
私たちが目を付けたのは、ある業界で長年使われてきた既存工法を、私たちの提案する新しい工法へ置き換える、という事業でした。
そして、そのターゲット業界について調査を進める中で、業界大手の企業と連携して開発を進めていくことになりました。
その企業は、その業界を立ち上げた存在とも言える企業で、長年にわたり、エンドユーザーへノウハウと資材を提供するサプライビジネスを展開していました。
私たちの描いた戦略は、エンドユーザーとの接点を強く持つ業界大手を顧客とし、オンデマンド性などの付加価値を持つ新しい工法を提案すること。
そして、その工法を実現するための製造装置とサプライ品を提供する――そんなBtoBビジネスでした。

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